巷で聞く「人工知能・AI」は、思っていたよりも急速に進化を進めています。
最近では、囲碁の世界チャンピオンを打ち負かせる、米国選挙を予想・的中させる、オートパイロット機能など人工知能の目覚ましい進歩が見られています。
最近注目を集めているのが最新AI技術を活用した女子高生AI「りんな」の歌声合成した曲です。
皆さんは、AI(人工知能)の歌声を聴いたことがありますでしょうか?
女子高生AI「りんな」の歌声を聴いて、AIの作り出す曲に興味を持たれた方は少なくないと思います。
そこで、「りんな」のような音楽を作り出すAIについて、調査してみました。
AIが作り出す曲はどのようなものなのでしょう… 併せて、女子高生AI「りんな」をハイレゾ音源で聴いてみましょう!
GoogleのAI「Magenta(マゼンタ)」
この「Magenta(マゼンタ)」とは、アートと音楽を創造する過程で機械学習の役割を探る研究プロジェクトとしてGoogle社のGoogle Brainチームが開発しているAIです。
この動画は、プロジェクトのデモとして2016年6月に発表されました。
以下のような流れで楽曲を作成しています。
①大量のサンプル音源をMagentaに渡します。
②Magentaは、楽曲データから学習をして、学習した情報をパッケージングします。
③人間が”プライマリーデータ”(1音でも良いし、メロディーでも良い)を渡します。
④Magentaは、学習した内容と、プライマリーデータから、楽曲を作ります。
つまり、Magentaに学習データを作らせれば、後は人間はモチーフとなる”プライマリーデータ”を与えるだけで、楽曲の完成ということになります。
以下は、プライマリーデータ4音(おそらく、最初のドドソソの部分)から作成された楽曲です。
曲の始めはシンプルな音なのですが、徐々にドラムなどの音が入ってきてリズミカルな曲に仕上がっています!
機械学習システム「TensorFlow」を使用しており、ツールやモデルをオープンソースとしてGitHubで公開しています。
SONY CSLのAI「Flow Machines」
こちらは、フランスにあるSONY CSLが開発した「Flow Machines」というAIです。
「Flow Machines」は、「LSDB」という楽曲データベースと作曲ツール「FlowComposer」、「Rechord Player」という波形接続型音声合成エンジンで構成されています。
①作曲家はLSDBに登録された多様なジャンルの約1万3000件のリードシート(楽曲の旋律とコードと歌詞だけを抜き出した楽譜)からスタイル(Daddy’s Carの場合は「Beatlesスタイル」を選択)あるいは複数の楽曲を選びます。
②選択された楽曲やスタイルから、AIが”それっぽい曲”を提案してくれます。作曲ツール「FlowComposer」で新たなリードシート上でその曲が楽譜化されます。
③最後に、波形接続型音声合成エンジン「Rechord Player」でコードからの伴奏形態の調節などをAIが行います。最終的な仕上げとミキシングは人間が行なっています。
SONY CSLは、ビートルズ風に作曲したポップソング「Daddy’s Car」を2016年9月に発表しています。
こちらの楽曲は、以下の手順で作られています。
人間担当:まず、「スタイル」から「ビートルズ」を選択。AI担当:メロディとハーモニーを提案。
人間:最後にフランスの作曲家Benoît Carréが作詞と編曲。
コーラスの美しいハーモニーが、それとなくビートルズのテイストでサビがどこか寂しく感じさせてくれます!
人工知能アプリ「Amper Music」
「Amper Music」は、誰でも無料で使用することができ、ロイヤリティフリーのBGMをわずか1分程度で作成することができます。動画のBGM作成などにはもってこいのアプリと言えるでしょう。
ということで、「Amper Music」を使ってみましたが、残念ながらAIの部分というのはあまり特殊な事はできない印象です。
流れとしては、
①人間が、数種類程度の中から、テンプレートを選択します。
②AIが、テンプレートに沿って、伴奏とバッキングを作成します。(テンプレートに寄って、曲は固定のようです…)
③その後、人間が指定した楽曲の長さによって、AIが、自動的に伴奏とバッキングは伸び縮みします。
それ以外の作業(メロディー・ハーモニー・歌詞などの作成)は、すべて人手ということになります。
アメリカ出身のアーティストTaryn Southern(タリン・サザン)は、こちらの「Amper Music」を用いて「Break Free」という曲を2017年8月に発表しました。
こちらの楽曲は、
Amper(AI)は、コード進行とバッキングスタイルを作っていますが、それ以外のメロディー・歌詞作曲と歌はタリン・サザンが行っています。
りんなに比べると、インパクトには欠けますね。
でも、透きとおるようなポップソングで、つい耳に残ってしまいます!
Microsoftの女子高生AI「りんな」
2015年8月に日本マイクロソフトがLINEにて女子高生のように会話ができる人工知能(AI)としてサービスを開始しました。
りんなは、平成生まれの女子高生で、東京の北の方出身という設定になっており雑談が得意で、ユーザーの感情に添う会話ができるようになっています。LINEユーザーは、りんなと会話やしりとりを楽しんだり、恋愛相談にのってもらったりと、今どきの女子高生と接しているようなやり取りができます。
日本マイクロソフトは、りんなの歌声を収録したオリジナルソング「りんなだよ」を7月26日にYouTubeで公開しています。
こちらの楽曲は、
人間担当:歌詞とお手本となる歌唱データ1つを与えます。手入力の調整は、ノイズの除去などごく一部を修正。
AI担当:聞く(人の声を聴く)→分析(音程・音の強弱)→時間合わせ(歌詞と音の長さの対応)→合成(りんな声)
公開後、10万回再生を突破しています。
よりリアルな女子高生の気持ちを表現した歌詞と、AIとは気付かないような歌声を聴いてみてください。
上記と同曲(りんなが歌ったオリジナル楽曲「りんなだよ」)のハイレゾ音源が、音楽配信サイトのmoraで24日から無料配信開始されています。
AIとは思えない歌声をハイレゾ音源で聴いてみてください。
以下のリンクから無料ダウンロード可能です。
ファイル形式:FLAC 96.0kHz/24bit
ダウンロード:http://mora.jp/package/43100000/MOFA-H-0030-01/
最後に…
「りんなだよ」のようにハイレゾ音源として配信されている楽曲は、上記のようにmoraなどのハイレゾ音源配信サイトでダウンロード可能ですが、注意しなければいけないのは、ハイレゾ音源を聴くには専用のプレーヤーが必要です。
ハイレゾ音源の楽曲をハイレゾ音質で聴いてみたいという方には、
「CurioSound」というWindows版 PCアプリケーションをおすすめします。
本アプリケーションは、CD音源などを、ハイレゾ化することのできるアプリケーションです。
ハイレゾ変換しながらリアルタイムで再生することはもちろん、”ハイレゾ保存”することもできます。
“ハイレゾ保存”では、非ハイレゾの曲をハイレゾ化して書き出すことができるため、そのファイルをスマートフォンに転送して、スマホでハイレゾ音源として再生できます。
CurioSoundは、難しい設定は必要なく、ボタン一つでハイレゾ再生・保存ができます。
CurioSoundは有料アプリですが、体験プラン(14日間)もあります。
ぜひ、この機会にCurioSoundでハイレゾを楽しみましょう!